相続について

質問

息子に土地や建物を譲るにはどうしたらよいか

自分の死後のことを今から考えるのは難しい

答え

財産相続の中でも、大きなウェイトを占める資産はやはり土地・建物の不動産です。世の中の会社が最適な経営を行うに当たって、不動産を含む自己の企業資産の価値を定期的にチェックしているのと同様、実は資産家は個人であっても自己資産の価値水準を常にチェックしておくことがとても重要となります。現在どのような不動産があって、それらがどのような形態で誰によって利用され、その財貨は現在総額でいくらになるかを書類の形ではっきりと把握することがまずは大切です。そして、この金額等を知った上で自分の周辺の現状を理解し、将来の展望を整理してはじめて、家族にとって最適な計画を立てることが可能となるばかりか、今後何らかの想定外の事態が生じた場合でも迅速に対応できることになります。
「相続」というと、税金対策をすぐに想像してしまう人も多いかもしれません。確かに、節税対策は二次相続も含め専門知識に基づいた上で、しっかりと行っていく必要があります。しかし、あまりに税金対策に傾注するばかりに、自分の思い描く将来像とは異なった方向に資産活用が進んでいることもあり、こうなっては本末転倒と言わざるを得ません。相続で最も大切なのは、将来にわたって家族が安心でき且つハッピーになることです。それに加えいわゆる資産家と呼ばれる方は、その地域での様々な人間関係や代々にわたる深い歴史を持っているのが一般的です。長年にわたる地域とのつながりがある中、資産運用の最適なプランはそもそも機能的に処理すべき事柄でないかもしれません。ゆっくり時間をかけるべきところはじっくりと、そして物事が決まれば迅速に対応していくことが主要なポイントとなります。この為にも、1年でも1ヶ月でも早く、資産についての状況を俯瞰しておくことが大切でしょう。

資産評価全般について

質問

土地、建物、大型工作機械等の現在又は過去の資産価値(適正価格)を知りたい

地代、家賃の適正水準を知りたい

今後の不動産等の有効利用について教えてほしい

答え

資産評価は土地建物の評価から機械設備の評価までを、「鑑定評価書」等の報告書を提出することにより行います。
資産価値はその時代や経済情勢等によっても流動的であり、例えば土地であれば「宅地」や「農地」等のその時点の利用用途によって、あるいは借地や借家されている場合には、契約内容の違いからくる権利の態様等によってもその価値はそれぞれ異なります。
現在又は過去の資産価値を知りたいときには、まずは鑑定評価等により適正な資産価値を把握しておくことが大切です。

土地の売買について

質問

土地を売却したい

手放したくはないが当面利用しないので、賃貸したい

このまま持っておいても税金がかかるだけで、売れなさそうだしどうすればよいのか

答え

不動産を所有される方の多くはその不動産について様々な悩みや思いをお持ちです。又、これから所有しようとする方も「自分にとって、最低限の経費で、最適な不動産の持ち方」を目標に検討されていることと思います。「希望している値段や賃料」で売却・購入・賃貸がすぐにできれば問題ないのですが、長引く不景気により不動産市場があまり活発でない現在ではなかなか思うように話が進まないのが実情です。しかし、このような厳しい時節にあってもまずは、現在の資産価値がどれだけかを知っておくことが重要です。価格水準がいくら下がったからといえ、高価で且つ、経済活動の母体ともなる大切な不動産。現在又は近い将来、売買又は賃貸可能な金額水準を正確に把握することから始め、今後の有効な手立てを考えましょう。

土地・建物の交換について

質問

家族・親族・法人で土地や建物の持ち分についてもめています

事業を起こしてこれまで自分の会社を大きくしてきたが、工場の土地の一部が私個人の名義で自宅用地の一部が会社名義になっています。ここで今、双方の不動産の所有形態をすっきりと整理していきたい

答え

土地や建物を同等の不動産と交換することで、費用面や税制面でのメリットの他、経営の合理化や、利害関係をスリム化し、又、次世代にわたる親族間等のトラブル防止効果等にも役立つ場合が多々あります。この為には、これまでの歴史を踏まえた不動産に関する複雑な権利関係を整理する必要があります。

土地・建物の売買について

質問

土地・建物を売却したい

親 :息子から取り壊して更地にして売った方が良いと言われている
息子:将来の相続のことも考えると、この建物をそのままにされては困る

答え

土地だけではなく、建物も大切な不動産の一つです。しかし年数が経つと価値が急激に下がってしまうどころか老朽建物ともなれば取り壊し費用を更地価格から差し引くことになって「マイナス資産」となってしまいます。この様な中古建物付土地は売買をはじめ、その取り扱いが更地に比し格段に難しい面があります。「取り壊して売ればいい」又は、「取り壊し相当額を減額して売ればいい」と考えれば最も簡単かもしれませんが、自分にとって長年の生活の場でもあった土地や建物は、地域に密着した様々な思いの詰まった「人生の一部」でもあります。
あらゆる事情で、現在県外に居住し「県内不動産は空地、空家の状態」という方も少なからずおられます。「ふるさとではあるが、土地や建物を手放さなければならない。」また、「人に貸しておいて、自分が引退したら又帰ってきたい。」という場合も合理的なアドバイスを受けることは有益です。

 

公有地売払いについて

【本文】公有地売払いについて

公共用地や旧宿舎を売って合理化に努めたい

答え

近年では公務員宿舎跡地等、一定の公益的役目を終えた土地、あるいは差し押え物件やいわゆる用途廃止予定の赤線道(公道)等の法定外公共物といった公有地の売払いが多く行われています。原則的には公売という形で買受人の一般公募による入札(セリ)が行われますが、合理的原因がある場合において例外的に、隣接地所有者等に売払われるケースも多く見られます。少なくとも公売の場合は適正価格が担保されなければなりませんので、鑑定評価が必要と考えられます。又、隣接地所有者等への売払いの場合も画地条件によっては限定価格(その土地を隣接地と併合することによって生じる利益を折り込んだ隣接地所有者との間にのみ(限定して)成立する価格)の査定も必要となる等、評価スタイルも様々です。

 

土地賃貸借(借地)について

質問

土地を借地として安定的収益源とするため人に貸したい

土地を借りて自分の家を建てる(定期借地)のは地方でもメリットがあるのか

答え

資産を「現金等」と「不動産」に分けて保有し、主に金利と地価動向の指標によってそれらの保有割合を決定していく…
これは地価が上昇し、又は高水準で安定しているかつての時代でのオーソドックスな資産選択形態(ポートフォリオ)でした。しかし、特に地価の下落が恒常化している現在では、一般財と同等の選択肢としてではなく、返済の手段として土地を売る、又は土地を貸して賃料を収入源とすることが特に地方での土地運用の主流となっています。
平成4年に借地借家法(新法)が改正され、いわゆる「定期借地権」という借地形態が法的に認められることとなってから既に20年が経ちます。現在の借地の形態は「定期借地」あるいは「普通借地」のどちらかを選択適用できます。
魅力低下で中心市街地の空洞化が進む地方都市では、これまでの「土地所有者=建物所有者=店舗等事業者」の構図を「地主」≠「借地人=店舗等事業者」と書き換えることで相互にメリットをもたらしつつ地域の活性化も図っていこうという動きが広がりつつあります。借地契約については「地代」「名義書換料」「条件変更承諾料」等、権利にまつわる評価についても対象として各種報告書を作成いたします。これを基に税制面や他の所有不動産との相互関連性も含めたカウンセリングを行うことができます。更には借地契約の形態や内容構成についても、プロとしての高度なノウハウが必要です。

建物賃貸借(借家)について

質問

賃貸したいが建物が古いので借り手がいないのでは

今は使ってないけれど、将来息子が帰ってきたときに住んでほしいから家はそのまま置いておきたい

家賃・敷金の設定、徴収の方法、契約内容はどうすればよいのか

答え

借地と同様に一旦建物を貸してしまうと、将来、再度建物所有者が自己のために使うことが実質的に難しかった従来の制度を改め、平成12年に「良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法」が成立し、いわゆる「定期借家制度」が施行されています。この制度を利用することで、契約期間の満了とともに借家契約は終了し立退料が不要となり、又、家賃増減請求権を排除する契約締結も可能となり、建物賃貸経営を長期安定的に営むことができるようになりました。
不動産賃貸借をめぐるトラブルは頻繁に起こっており、中でも最大のトラブル1つとしてあげられるのは「家賃」に関することです。当事者双方の力関係に不均衡がある場合等特殊なケースを除けば、一般的には賃貸人、賃借人双方が合意する家賃が本来的には適正な家賃だと言えます。賃貸借に係る事業判断をするに当たっては、まずは「適正家賃」を基準にしてそこから事業展開を計画していくことで様々なトラブルを最小限に抑え、メリットを最大化できることにつながります。この「適正家賃」を評価し報告書として提示するのが不動産鑑定士の主要業務の一つでもあり、丁寧な調査と詳細な分析からお客様に満足していただける適正な権利評価を導き出します。

まちづくりについて

質問

町の人口が減って、高齢化率も上がっていて不安

コンパクトシティというのはどんな街なのか

答え

不動産鑑定士は不動産のスペシャリストとして、日々不動産の評価を行っております。土地の不動産評価過程において重要なステップの一つとして『地域分析』という作業があります。これはある1つの土地をみた場合、その土地の周辺を含むもっと広いエリアについて面的な特性があり、その特性が地域内にある個々の土地価格に影響していると考えられます。このことから、土地評価はまずは、地域の特性の分析からアプローチしていくのです。つまり、地価はその土地個々のみならず周囲を取り巻く町全体の活力を表すバロメータともいえるのです。
従って近年、特に地方都市での地価の下落は常態化していますが、このことは、都市全体の活力の衰退を表しているのと同義ともいえます。
当社は不動産評価という従来の枠にとらわれず、都市活力のバロメータである地価下落の要因を明確にし、その地域の特徴や歴史まで踏まえたうえで、「どうすれば都市の衰退を食い止められるか?」言いかえれば、「どうすれば都市の価値を高めることができるのか?」この深刻な都市問題をこれまでの経験や知識を生かして少しでも解決方法に迫ることが、これからの不動産スペシャリストとに課せられた使命でもあると考えております。
当社の取り組みとしては、平成19年より国立大学法人徳島大学大学院と共同研究をはじめ、地方都市の都心居住のあり方についての研究を現在も継続しております。その他不動産カウンセラー、再開発プランナー等関連資格の下にNPO法人 不動産カウンセラー協会、社団法人再開発コーディネーター協会の他、公益社団法人日本都市計画学会、公益社団法人土木学会に属し、都市計画技術の研鑽に日々努めるとともに、まちづくりの関連情報の収集体制を整えております。
これからの日本は超高齢社会に突入するにあたって新しいまちづくりは必須課題であり、当社は、地域の人々に優しいという意味から「めざせ!!シルクシティー」をキャッチフレーズに、これまで不動産に携わってきた専門家として微力ながら地域社会に貢献できるよう鋭意企業努力し、この大きな命題にチャレンジしていく所存です。
まちづくりについては自治体だけでなく一般の市民の皆様も様々な意見をお持ちのことと思います。「不動産鑑定」ということにこだわらず、できるだけ広く、多種多様な分野の方からのご助言・ご意見等とお聞かせいただきたく存じます。

農地・林地・宅地見込地について

質問

田んぼがあるけれど、もう両親は高齢で耕作できない

山を持っているけれど、立木は手入れしておらず売れるのだろうか

答え

土地には、宅地、農地、林地等の用途的利用形態による様々な種類があり、不動産市場では通常そのそれぞれについて異なった価格水準を呈しています。これらの評価にあたって、不動産鑑定士は現況に応じて採用する取引事例や評価手法を判断し評価を行います。ただ、宅地といっても、住宅地、商業地、工業地やさらに細かい分類種別が多数あって、鑑定士はその土地の存するエリア全体について、その地域の特性にマッチした計算手法や資料を採用していきます。
農地についても、市街地内か郊外にあるのかによっても評価手法は異なっており、さらに郊外部の宅地化の影響を受け得るエリアの幹線道沿線にある場合は「宅地見込地」という不動産鑑定特有の評価種別にあてはめ、将来宅地転用した場合の売却収益性も価格に加味していきます。
また、林地についても農地同様、市街地内か郊外かあるいは山村奥地の林地ともなればスギ、ヒノキなどの立木も評価の対象になってくる場合もあります。これは実際山を買う人が素地よりも立木を目当てに売買を行う場合が多いことから、立木も資産価値を有するものとして計上すべきという考えからです。この場合は当然、評価額は材木市場価格にも影響されますので特殊な評価方法も採用されることとなります。
この様に多種にわたる種別に加え、不動産上に借地権等の負担すべき権利が存する場合もあり、適宜煩雑な作業を行っていくのが評価現場の実情です。

機械・設備などの評価について

質問

工場の機械や器具を担保にしてお金を借りるにはどうしたらよいか

答え

金融機関から融資を受ける場合、土地や建物に担保を付すことは一般的ですが、不動産価格の下落が顕著となっている昨今では、企業の持つ機械設備に対してもその価値を適正に評価し、担保として組み込んでいこうという動きが徐々にではありますが出始めております。これまで工場では工場供用物件の目録(工場抵当法の3条目録といいます)の提出が義務付けられていますが、これは担保評価というより、土地・建物の抵当権の効力が及んでいることの第3者への対抗要件としての意味合いが強いと言えます。一方で、ここでいう機械・設備の評価とは資産としての機械設備を「いくつかの定義を設定して評価する」ことです。通常、これまでの機械の評価は「この機械を中古市場に売りに出した場合にいくらで売れるか?」という単体の市場価格にアプローチするものでした。従って、従来型の評価では購入・設置費が数千万円する機械でも特殊な機械など一般の人にとっては不要ということで中古価格となれば数十万円という残材価格でしかなくなる場合も少なくありませんでした。そこで、この様な機械設備個別の清算売却をベースとした現状の考え方ではなく、機械・設備一式をユニットと考えたin-place  (設置済み)あるいは continued-use (継続使用)を前提とした担保価値・市場価値の評価アプローチの有用性が着目されつつあり、既に米国においては評価実務の一端としてその手法が確立されております。
当社は米国の資産評価専門家からつくる米国鑑定士協会(ASA)と協定する一般社団法人 日本資産評価士協会(JaSIA)に属し、国際財務報告基準(IFRS)及び国際評価基準(IVS)に準拠した機械設備の評価ノウハウを習得しております。新しい分野での考え方等について興味をお持ちの方はいお気軽にご相談ください。

担保評価について

質問

銀行でお金を借りたい

土地や建物の評価を基に担保として融資をしてほしい

答え

金融機関から融資等を受ける場合、土地や建物の不動産に担保を付すことは一般的ですが、融資を行う側の金融機関からしても担保物件の適正評価を行うことは一般市民から預かった大切な預金の運用リスクをヘッジすることでもあり、金融システムの健全性を保つ上ではとても大切なことです。そもそも、我が国の不動産鑑定評価制度の発足に際し、昭和38年に「不動産の鑑定評価に関する法律」が制定され、次いで昭和39年に「不動産鑑定評価基準」が定められた当時、既に実質的に行われていた不動産評価業務の一つが金融機関による担保評価です。まさに鑑定評価の老舗的業務と言えます。弁護士や公認会計士、その他の士業と異なり不動産鑑定業者が法人登記できるのもこの様な実務的経緯に端を発すると考えられます。しかし、この様な長い担保評価の歴史の中で、特に地方におけるここ数年の不動産価値の下落は大きいもので徳島県内の公示価格は概算で平成元年と平成24年現在とを比較すると約3割~5割の下落となっております。

このことは言いかえれば、地域の活性化が昔に比べ減退していることも表しているといえ、経済界にとっては残念なことです。具体的には、例えば、家賃は通常その建物だけでなく、建物敷地である土地価格水準からも影響を受けます。土地・建物の不動産価値が下がれば、家賃水準は下がり、(下げないと借りてくれない)融資を受けて建てた建物の返済が進まなくなり、ますます担保物件としての魅力度が下がる…という悪循環に陥ります。

公共用地取得について

質問

新しい道ができる

道の拡張工事がおこなわれる

答え

公共事業が行われる際、必要となるのが公共用地の取得でこの場合の買い取り価格の基礎となるのが取得時点における一団地としての更地の正常価格となります。この正常価格の判定は鑑定評価によって行われるのが一般的です。公共用地取得の代表的な例は新たに道路を敷設する場合や既にある道路の拡幅に伴う土地の評価が挙げられるでしょう。この他、河川改修や公共施設の新設移転の際にも鑑定評価が必要となる場合が生じてきます。これまで、公共用地取得に伴う鑑定評価は特に地方の鑑定業界では評価の大半を占める主力業務であったといっても過言ではないでしょう。近年の公共事業の減少に伴い、全体業務に占める割合も減少しているのが全国的な傾向です。しかし、国民の安全と社会の発展に寄与する大切な公共事業自体は無くなることはなく、鑑定評価に任される責務の重さは全く変わることはありません。

公共用地取得に伴う不動産鑑定評価業務並びにその事務処理についての技術的要領についてはこれまで数多くの書籍が出版されており、あらゆるケースに応じてノウハウが蓄積されております。従来より、当社は公共用地取得に係る鑑定評価に数多く携わってきました。この用地取得の対象となる土地所有者にとっても代々守ってきた大事な土地であるとともに、公共施設の創出という社会に少なからず大きな影響を及ぼす事業の基礎となる用地確保の為の業務であり、その責任は重大です。常に、取引等の実例だけでなく売り希望、買い希望価格等の市場動向に関するデータを収集するとともに、特に全県的なバランスにも細心の注意を払い適正評価に努めていきます。その上で、鑑定評価という側面からより良い国土形成のために少しでも貢献できるようにと考えております。

訴訟について

質問

兄弟で土地・建物を相続したけれどその配分に不満がある

わたしの土地に賃料も払わずに住みついている

答え

数ある(民事)訴訟において、不動産に関わる事案は多く、その最大の理由の1つが「不動産が高額である」からでしょう。訴訟内容も年々権利関係が複雑化している傾向にあり、不動産の価格如何によって、当事者双方に甚大なる影響をもたらします。ここに、不動産価格鑑定が果たす説明責任の重大さは、どのような鑑定でも当然存在するものですが、「説得性」について、特に重要性が問われます。不動産は、土地であれば同じ規模、形状、道路条件の下にあっても、その不動産の存する地域の特性によって大きく変わります。そして、この地域の特性には周辺エリアに生活している人間性も広く含まれます。その地域に対する需要性向が最終的には不動産価格に影響するからです。鑑定評価書内には各種計量的分析手法を適用し最終価格にアプローチし、それらの理論展開が順を追って表示されておりますが、必ず、その計算過程の底流にはその地域内の人間の需要特性という定性的内面が確実に携わっています。

当社は、四国及び徳島県内一円の不動産に関し常時観測し、実態を把握しております。普遍的に見える鑑定評価も正確な需要を把握するためには、いわゆる地縁性が欠かせないのです。特に訴訟における評価では地域考査型の視点こそが信頼性のあるより良い評価と認識しております。

有効利用について

質問

自分の所有地上に古い家が残っていて、だれも住んでないがどうしたらよいか

答え

不動産鑑定において「最有効使用」という用語があります。鑑定評価基準でいうところの「良識と通常の能力を持つ人が採用するであろうと考えられる使用方法」という意味で用いられる言葉です。そしてこの「最有効使用」は画地条件等が異なる個々の不動産1つ1つについて存在すると認識されています。

さて、ある不動産についてこの最有効使用が実践されているならば、文字通り不動産から得られる効用は概ねMAXであり、この時資産価値も最大値となるでしょう。ところが、通常鑑定士に相談に来られる方々は、「更地を所有していて、今後投資していくにあたってどのような利用をすれば最適(最有効)使用となるか?」という内容のものは実はほとんどなく、「現在、更地でもなかなか売却できず、普段不動産の取引が殆ど無い既成市街地内に鉄筋コンクリート造の建物が残っているが、廃屋状態で取り壊す資金も少なくどうしたものか?」という内容の相談が圧倒的に多いのです。

建替えについて

質問

そろそろ息子の為にも家を建替えたい

隣の空地を買って、建て増しを考えている

答え

建替え(又は増改築)は、通常資産価値を増大させる行為ですが、資産価値の増大=税金の増加を連想してしまう方も多く見受けられます。しかし、一方で資産価値の増大は賃料のアップ、そして担保価値の向上にもつながります。いずれにせよ感覚的には建替えは積極的な明るい経済行為であり、楽しいものです。ただ、複雑な社会システムの中で、どのような建替えがどの側面でプラスになるのかマイナスになるのかを把握しておくことこそが重要となります。

建替えは建物の現況、建物の存する地域の特性の他、資金の状況等、所有者をとりまく状況によってもその規模や最適と思われる時期等があります。又、建物を建替えた後、新築される建物についても、将来の建替えを考慮に入れなければいけません。建替えは数十年も続く不動産所有の中でのショッキングな出来事ですのである程度の時間をかけて未来の安心できる最適な建替えを実現させていきましょう。

各種権利の評価について

質問

地上権や底地とはどういうことなのか

借地権、所有権、使用権とは不動産の権利なのか

答え

一般的に不動産の資産価値と言えば、いわゆる「完全所有権」を表します。しかし、不動産には大まかに言って、「所有権能」、「使用権能」などの経済的能力がいくつかあるとされ、それら能力を行使する権利者が別々に存在可能であって更には、それぞれの権利ごとに別々の価格が認められます。例えば、土地を地主から借りて家を建てている場合には、土地を借りている人=土地使用権者=「借地権者」となり、この場合は土地を貸している人=地主さん=完全所有権者ではなく「底地権者」ということになります。この際、土地の「完全所有権は〇〇〇円」と同時に「借地権は〇〇〇円」、「底地権は〇〇〇円」という権利ごとの価格があって(賃料(地代)と混同されがちですが今お話ししているのは「権利の価格」です。)不動産の鑑定評価の範疇であり、評価基準によって評価手法も確立されております。一般的には聞き慣れない価格かもしれませんが不動産評価の世界には「権利価格」なるものがあり、会計・税務においてもそれらが資産価値として認められ、社会システムの中に組み込まれています。

課税について

質問

市民にとってもっとも身近な資産評価である、課税についての相談がよくあります。

土地に関する評価方法等について詳しいことを教えてほしい。

答え

不動産鑑定士は不動産のスペシャリストです。市民の方々からの不動産に関する疑問や、さまざまな種類の土地についての評価方法等をご説明します。